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しかし少し大きくなると、対象物の位置情報を長いあいだ覚えていられるようになる。
サルだと生後4ヶ月、人間の場合もそれに相当する7ヶ月ごろから成績が上がりはじめた。 人間の赤ん坊が1歳になるころには、食べ物を入れた容器の場所を10秒も覚えていた。
この重要な基本能力を身につけるとき、脳の前頭前野ではちょうどシナプスが急激に増えはじめる。 近年の神経科学は、脳のなかで重要な役割を果たす前頭前野で、何がどんなふうに行なわれているかを正確に突きとめることに全精力を傾けている。
1970年代から80年代にかけて、E大学のP・GLと、現在はU(マサチューセッツ州)に在籍するAが行なった一連の優れた実験は、前頭前野の活動がいつ、どうやって始まるか明らかにした。 GLはアカゲザル、Dは人間の幼児を対象に行なったその実験は、遅延反応テスト、またの名を「T」テストと言って、視界から消えた情報をいつまで保持できるか調べるものだ。
サルまたは幼児は、一度見た絵の表象を保ちつづけ、別の情報に取って代わられるのを阻止しなければならない。 このテストには、前頭前野、正確には背側前頭前野の働きがかかわっているが、神経科学者はそれを作業記憶と呼ぶことが多い。
それはたとえば、電話をかけるあいだだけ、7桁の番号を忘れないでいられる能力だ。 脳の黒板、または脳のポストイットといった別名をもつ作業記憶は、衝動の抑制とも関係があるとGLは言う。
「心的表象が引きおこす反応を管理できなければ、不適切な、あるいは突出した刺激に対する反射的な反応を抑えることもできない」要するに、友達から電子メールが届くたびにいちいち反応していたら、宿題をやるのを忘れるということだ。 GLやDの実験では、サルも人間も同じようなテストを受けた。
まず目の前で、食べ物やおもちゃを、2つないし3つある容器のどれかにしまう。 それからすべての容器をいったん隠し、数秒後にふたたび見せて、食べ物やおもちゃが入っている容器を当てられるかどうか試した。

さらにその後研究で、前頭前野が遅まきながら発達していく思春期後期に、この能力はさらに精度が上がっていくことがわかった。 この実験のほか、視覚などさまざまな機能の発達を調べた研究から、前頭前野におけるシナプスの横溢、つまりシナプスが盛んに増えることと(Gが思春期の脳で発見したのと同じ「過剰生産」だ)、脳の重要な働きが確立されて精密化していくことは、関連があると研究者は考えるようになった。

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